インテリアイラストレーターとして、
モダンライフを描くtetsuro oh!noさん。
ミッドセンチュリーモダンの象徴的プランツ、
『モンステラ』に魅了され、自身のイラストにも
アイコンとして登場させたり、その魅力を伝えたいと
『モンステラマニア』というサイトも立ち上げている。
興味を持ってドアを開けると
“Welcome to Mid-century modern and Monstera world!”
そんなオープンスタイルがインテリアイラストやモンステラに
魅了されてしまう人を増やしているようです。
interview & text 西村智亜希(vision track)西村:oh!noさんがイラストのメインビジュアルまたはアイコンとして、
家具やモンステラを描き始めたきっかけを教えて下さい。
oh!no:昔から古いインテリアが好きで、昔の写真集などを古本屋で集めていた
のですが、そういうのを見ていると、いろんな部屋の片隅にモンステラがおいて
あることが多いんです。さらに昔の家具カタログや、家具の広告写真などでも、
チェストの横に唐突にモンステラが入っていたり、明らかにカメラマンも意識し
て、写真の片隅にモンステラを入れているという構図をよく見かけて。写真の
片隅にモンステラが入っているといないとでは、全然雰囲気が違うんですよ。
それから、モンステラの不思議な魅力にどんどん引き込まれていって・・・。
プロダクトデザイナーからイラストレーターに転身しようとした頃、イラスト
の主流は女性をメインとしたものかキャラクターものでした。ファッションイ
ラストレーターという言葉も流行っていたし。あまり空間そのものをメインに
描く人はいませんでしたね。しかし時代はインテリアブームだし・・・そして、
僕はインテリアと、モンステラが好き。だったら「インテリアイラストレーター
でいこう」と決めました。
西村:インテリアが好き、モンステラも好き、だからどちらも描こう!なんて、
すごくシンプルですよね。では、写真ではなくイラストレーションとして描く
インテリアの魅力とは?
oh!no:僕のイラストには二つの大きな決まりがあるんです。
一つはパースをつけないで描く。
もう一つはグラデーションを使わないということです。
空間を表現しながら、「グラフィック」ということを強く意識して、写真とは
違う世界を表現しようと思っています。平面的な構成でありながら空間を表現
するという部分が写真とは違うおもしろいビジュアルをつくっているのではな
いでしょうか。
西村:oh!noさんがイラストを描かれる際、欠かせないものはありますか?
oh!no:すべてですね。
インテリアはファッションスタイルであったり、ライフスタイルであったり、
音楽が聞こえたり、旅先の一場面であったり・・・。空間を表現するという
ことは、人の生活を表現しているということでもありますし。描く時は、自分
でもその広い世界の様々な生活を想像するために雑誌や古本、音楽は欠かせな
いですね。自分自身の生活そのものも、そこは意識してこだわってます。
西村:インテリアを描かれているご自身のイラストが、実際ポスターやラグ
などの実際のインテリアの一部として広がってきているのはやはり格別の想い
があるんじゃないですか?
oh!no:そうですね。プロダクトや商品をコラボレーションなどで制作する時
は、作り手と売り手のお互いのイメージが一致しないとなかなかいいものがで
きませんね。失敗したものや、お蔵入りしたものもありますよ。
また、純粋に「見て、いいな〜と思う絵」と「部屋に合う絵」とは多少違ったり
するとも思うので、そういう部分も意識してつくったりします。
西村:最近モンステラがブームのような勢いがありますよね。
いち早くその魅力に引きつけられて、ブームのきっかけを作られた立場から
いかがですか?
oh!no:ハワイアンスタイルでは、モンステラは昔から今でも大定番モティーフ
ですが、「モダン」とか「和」とかの切り口でかっこいいと言った人って、
おそらく僕が初めてだと思うんです。モンステラマニアを立ち上げてから、
WEBの観葉植物店や、インテリアショップのモンステラ関係雑貨の販売コピー
などに、「ミッドセンチュリーモダンのアイコン。大人気のモンステラ」という
コピーをよく見かけるようになって、だいぶ浸透したなと思いますね。
僕がかっこいいと思っていたモンステラを、多くの人が同じようにかっこいいと
思ってくれているというのはやはりうれしいですよね。ただ、ブームというのは、
衰退もあるということで、数年前のミッドセンチュリーモダンの流行や、最近の
「インテリアブームもピークを越えた」という人もいますが、インテリアに
ブームがあるのもおかしな話で、「生活する」ところには「インテリア」が必ず
あるわけです。それがわかっている人には、ブームは関係ないですよね。
モンステラも、ブームに終わらない魅力は十分だと思っています。
また、インテリアと観葉植物の関係は、モンステラ以外にもいろいろと紹介して
いきたいと思っています。
西村:立ち上げられてから5年になる
モンステラマニア
から何かしら広がったり、展開されたりした事はありますか?
oh!no:yahooやFM局、様々な雑誌、新聞など、多くのメディアで紹介され
ましたが、ちょうどこの「マンスリーピックアップ」が紹介される頃にTVにも
登場します。5年続けて、じわじわと、いいペースでモンステラマニアが増えて
きましたが、さらに多くの人が、モンステラの魅力に引き込まれて、さらにそこ
からインテリアやファッションに興味が広がる人も出てくればいいですね。
西村:海外からオーノさんのポスターを送って!との問い合わせが
あったとお聞きしましたが・・?
oh!no:そうなんです。海外でもモンステラが気になっている人は非常に多い
ようで、今までアメリカやフランスなどでポスターを販売しました。そのほか
にも、イタリアやオランダの方などから、投稿写真を送ってもらったり、
オランダの生産者の方と知り合いになったりと世界の注目度も上がっている
ようです。まだ日本語ページしかないんですけど・・・。
早く英語版もつくらなければと思ってます。アクセスログでは、どこの国の人が
アクセスしているのかだいたいわかりますが、驚くほどワールドワイドです。
ほとんど世界中ですね。オランダの生産者方に教えてもらったのですが、
最近では東欧、ロシアで人気があるようです。
西村:oh!noさんのイラストで、見た事のないスタイルのモダンに描かれた
胡蝶蘭を拝見して、胡蝶蘭の印象がガラリと変わりました。
確かモンステラもボリュームあるものより、先端に2〜3枚スタイルを
お勧めされていますよね。
oh!no:華やかなイメージの胡蝶蘭を一輪にしたり、ジャングルのように茂ら
せるのが普通だったモンステラを太い幹に2〜3枚の葉だけに仕立てたりとい
うのは、やはり共通なイメージとして、「モダン」という言葉がありますね。
「モダン」という言葉はものすごく奥が深いと思ってよく使いますが、それは
「シンプル」であったり、「和」にも通じるものがあったりします。
「モダン」という言葉への思いを説明すると、全然時間がなくなってしまうので、
ここでは話しませんが(笑)
西村:なるほど。じっくりお聞きしたい気もしますが・・。
oh!noさんはすっきりしたもの、シンプルなものをスタイルとして提唱されて
いる感じがしたんですよ。
oh!no:どちらがいいというわけではないのですよ。
こんなスタイルもあるのか・・というような、今まで見たこともないスタイルを
見た時の感動って大事ですよね。「胡蝶蘭はこういうものだ」とか「モンステラ
はこういうスタイルが普通」とか、多くの場合、みんながイメージするスタイル
って勝手に限定されてたりするのですが、そうではないものを見つけたり、紹介
したりするのは楽しいです。
西村:モンステラワールドは今後もどんどん広げていかれますよね?
oh!no:そうですね。まだまだ「モンステラ」をキーワードにいろいろなことに
展開していきたいです。プロダクトはもちろん、モンステラ商品だけを扱う
ショップや、僕は音楽もつくったりDJもやったりするので、オリジナルCDも
つくりたいですし・・・
西村:イラストに関してはいかがでしょう?
oh!no:先ほど「インテリアイラストレーター」とか言いながら、最近は屋外
空間をイラストにしたものも多くあるんですよね。特に最近はまっているのは、
バカンス&リゾートな雰囲気。
これで個展でもやろうかと思っています。さらに「alexander」という別名義で
やっている女性ファッションイラストももっと展開していきたいし、岐阜の和紙
職人とのアートコラボレーション「ho-rai-sho」ももっと展開していきたいです。
西村:ますます忙しくなりそうですよね。
oh!no:僕が10人くらい欲しいですね・・・・。